dm-mnbの日記

このブログでは、教育関係のことなどを中心に、調べたことや考えたことなどを書いていこうと思います。

物理史年表

高校で習う物理は、いつに作られた学問なのでしょうか。

 

自分の勉強を兼ねて、年表を作成しました。

私の主観で、物理の主な出来事をまとめました。至らない部分が多々ありますが、今後修正していきます。

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細かく、○○年に誰が何をした、というのを見ても仕方がありません。ぱっっと見た感じで、物理学がどのように発展してきたかが分かります。

 

なんとなく黒っぽいな、という視点で考えると、「古典力学(16-17世紀) → 電磁気・熱力学(18-19世紀) → 量子論(20世紀)」と研究が進んできたことが分かります。

 

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高校生が主に学ぶ分野を、力学・電磁気・熱力学・波・原子と分けたとします。

それぞれが完成したのは、

力学 : 1687 ニュートン or 1788 ラグランジュ

電磁気 : 1873 マクスウェル

熱 : 1850頃 (気体の状態方程式

波 : スリットの実験

原子 : 1924 ド・ブロイ波

となります。

 

年表が不完全なので十分な考察ができませんが、物理学といっても、古典的な古い物理学を高校生たちは学びます。古いといっても、物理学は数学と同様に、積み重ねの学問なので、一足飛びにいきなりシュレディンガー方程式、というわけにはいきません。

 

高校生には、これらの関係をどのように提示すればよいでしょうか?

年表を作ってみて、これをこのまま見せても、意味はないかな、と感じます。ただ見せるのではなくて、歴史的なストーリーがないとだめでしょう。

 

例えば、

 

昔は、占いを信じる人が多かった。星や惑星の動きを見て、未来の運勢を占った。だから物理学は、最初は天体の動きを予測したかった。また、17世紀のデカルトガリレオ・ガリレイは、「でたらめな、時と場合によりけりなことではなくて、いつ何時も成り立つ確かなことをいいたい」と考え、どうしたらそれができるか試行錯誤した。天体の運動を、常に正しく予測することはできるだろうか?ほとんど奇跡的に、天体の運動をほぼ100%の正確さで予測可能な理論ができた。こうして、「古典力学」が誕生した。

18世紀になると産業革命が起こり、人々の生活がかなり便利になった。蒸気機関は、人には出せない力を出すことができた。もっともっと便利な世の中にしたい。そう考えて、いつでも確実なことがいえる自然科学の方法を使って、蒸気機関を研究する人たちがでてきた。熱を使えば、いつまでも無限に動く、便利な機械を発明することができるだろうか?ほとんど奇跡的に、無限の機械はないことの証明と、最大効率をもたらす機関が発見された。こうして、「熱力学」が誕生した。

役に立たない物理もある。自然のなかには、災害が含まれる。ときに人を苦しめるのは、雷だ。雷は神の怒りの天誅なのだろうか?いや、雷の正体は「電気」だ、といった人がいた。それ以来、電気の研究は研究者をひきつけた。電気を調べるうちに、なんと磁石と関連があることがわかってきた。磁石も、古来人々をひきつけてきたものだ。電気と磁石が、本質的にはほとんど一体のものだなんて、なんてエキサイティングなんだ。1820年、研究発表会で、「それで、それは一体何の役に立つんですか?」と聞いた記者がいた。今では、電気なしには生活ができない。こうして、「電磁気学」が誕生した。

 

このような「お話」をしたところで、高校生は面白いと思うかはわかりませんが、色々試してみて、授業を改善していきたいと思います。

 

そもそも、年表を作ろうと思ったのは、学習指導要領で「エネルギー」が強調されていることに疑問を持ったからでした。

それについては、また別のエントリにまとめたいと思います。

 

今日は、その議論のための、準備まで。