dm-mnbの日記

このブログでは、教育関係のことなどを中心に、調べたことや考えたことなどを書いていこうと思います。

平成27年度東京都教員採用試験の結果と過去の動向(中高共通・理科)

先日、平成27年度東京都教員採用試験の結果が発表されました。

私自身は、嬉しいことに合格という結果になりました。

これで、来春からは東京都の教員として働くこととなります。

残された学生期間で、いかに勉強することができるかが勝負だと思っています。

特に、物理に関しては、自信を持って教えることができるよう、法則を体系化し、整理しておきたいと思います。

本エントリでは、試験のデータの一部について、過去の動向をまとめておきたいと思います。

データは、中高共通の理科のみを扱います。

ただし、今年の試験については、今のところ応募者数と名簿登録者数しか分かっていないので、残りのデータは推測ということになります。


○ 倍率

まずは、合格(名簿登録)の倍率の推移を見てみましょう。

倍率は、(受験者数)/(名簿登録者数)にて算出します。

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"common", "science"というのは、それぞれ中高共通全体、中高共通・理科の倍率です。

"physics", "chemistry", "biology"は、それぞれ物理、化学、生物の科目毎でみた倍率です。

また、2014年(今年)のデータは、後述の方法により私が推定した値なので、正式なデータが公表されたら書き直します。

こうして見ると、まずは理科(水色)の倍率は全体(赤)の倍率よりも低いことが分かります。

社会や音楽、美術などに比べると、やはり理科の教員の倍率は低いようです。

また、物理(緑)・化学(青)が同じような推移を示しているのに対し、

生物(紫)は上下変動が激しいです。

2009 → 2010では半分程度に下がったり、2012 → 2013では約2倍に上がっています。

物理・化学は、2011 → 2012にこちらも約2倍に上がりました。

その後は化学は横ばい、物理は徐々に下がっています。

今年の物理の推定倍率は4.7倍となり、2014年の他の科目と比べると、一番小さくなっています。

今年物理を受験することができたことは、過去2年に比べればラッキーだと言えるでしょう。


○ 合格者数(名簿登録者数)

次に、合格者の絶対数の推移を見てみましょう。

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y軸は、中高共通全体("common";赤)だけ1桁違うので、値を左側の軸に記してあります。

これを見ると、中高共通全体の合格者が、毎年200人程度の幅で増減しています。

近年は採用者数を増やしている、との政策とは裏腹、2011 - 2013 にかけて合格者は減っていますが、

今年は、2年前、5年前の水準に戻ったようです。

次に、理科(物理・化学・生物)だけのグラフを見てみましょう。

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これを見ると、理科の中だけでも、合格者数の増減が激しいことが分かります。

合格者数が半分になったり、倍になったり、というのは珍しいことではないようです。

今年については、どの教科も、前年に比べて合格者数は増えました。


○ 受験者数

最後に、受験者数の推移について見てみましょう。

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中高共通全体の人数は、2011年をピークにかなり増減しています。

今年も、応募者数(公表済み)から考えて、減少傾向が続くと予想し、推定値を出しました。

一方、理科の三科目、特に物理と生物はほとんど変動がありません。

毎年、一定数の志望者が受験すると考えてよさそうです。

2014年も、この傾向が続くと予想し、推定値を出しました。

受験者数の推定値が分かると、倍率の推定値も算出できます。(合格者数は公表済み)

このようにして、倍率の計算を行いました。


○ 最後に、倍率に戻って、、、

試験の難しさ=倍率は、その年の受験者数と合格者数の比によって決まります。

まず、中高共通全体について考察します。

2009 - 2011 の間は、受験者数が増加しましたが、それに伴い合格者数も増加したため、倍率は7倍 ~ 6倍の間を推移しました。

2012 - 2013 にかけては、受験者数も減少しましたが、それ以上に合格者数が減り、倍率は約9倍まで上昇しました。

そして、今年に関しては、受験者数は相変わらず減ったものの、合格者は増えました。

そのため、倍率も6倍程度に急落しました。

全体的には、今年の中高共通は、合格しやすくなっていたようです。


次に、理科の三科目について考察します。

こちらは、「受験者数が毎年ほとんど変わらないで推移する」という大きな特徴があります。

そのため、試験の難しさ=倍率は、合格者数によって決まります。

その合格者数が、「○ 合格者数(名簿登録者数)」で見たように毎年大きなレベルで増減します。

年によって、2倍になったり、半分になったりしています。


今回調べたことをまとめると、その年の倍率が決まる要因には、科目によって様々なものが考えられますが、

科目毎の倍率がどのようになるのかは、ふたを開けてみるまでわからない、ということです。

試験前には、中高共通の応募者数しか公表されません。

しかし、その内訳を見てみると、理科の受験者数は毎年ほとんど変化がないようですが、それは応募者数からは予測できません。

ましてや、その年の理科の合格者数(名簿登録者数)は、受験者数とは独立に推移するため、全くわかりません。

試験前に公開される採用見込み数は、中高共通全体の数値しか発表されず、教科毎にどうなっているかはわかりません。

そのため、応募者数と採用見込み数から計算される倍率は、ほとんど気にする必要はありません。

なぜならそれは、科目毎の倍率とはほとんど関係ないからです。

生物の倍率なんて、過去5年の間にこんなに乱高下していてびっくりしました。


その年の難易度については、受験後に数値が公表されて、あぁ、今年は難しかったんだな、簡単だったんだな、と振り返るしかありません。

1次試験については、教職教養+専門教養で7割を取れるように準備し、論文、面接については他者の意見を聞きながら地道に練習を重ねる、というように、

着実に、自分の準備を進めていくのが、結局残された最後の、そして最大の対策になるということだと思います。