dm-mnbの日記

このブログでは、教育関係のことなどを中心に、調べたことや考えたことなどを書いていこうと思います。

高校生の単位認定と授業時数 そして1日当たりの授業コマ数

実際に高校の先生になったとして、1日あたり授業は何コマくらいあるのでしょうか?

理科の授業ってどのくらい多いのでしょうか?

本エントリでは学習指導要領から逆算してみたいと思います。

 

(計算を省いて、答えだけ言うと、一週間当たり10〜20コマ、一日当たり2〜4コマです。)

 



小学校・中学校の指導要領では、授業時数が決められています。

授業時数とはコマ数のことで、45分なり50分の授業が年間で何コマ必要なのかが定めてあります。

しかし、高校の指導要領に書いてあるのは単位数のみです。

これでは授業が全部で何コマあるのかわかりません。

なぜ高校だけ表し方が違うのが分かりませんが、分かりにくいのでここにまとめておきます。

単位数については、指導要領の総則に載っています。

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総則 第二款(ダイニカン)(カンっていうのも読めなかった)

単位については、1単位時間を50分とし、35単位時間の授業を1単位として計算することを標準とする。

卒業までに必要なのは、総合的な学習の時間(3~6単位)を含む74単位以上とする。

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ということで、1年あたりに25単位ほどが必要です。

年間あたりに必要な授業時間は、25単位×35単位時間×50分=43750分=約730時間です。

年間授業日数は190〜200日程度のようなので、仮に190日とすると、1日当たり4時間弱になります。

単位に必要な時数ギリギリだと、1日4〜5コマ出席すればよさそうです。

LHRとか特別活動とかがあるから、実際はもっと学校にいるのですね。

さて、ではその中で理科はどうでしょうか。

ここからは理科の話です。

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総説 第三節 理科の科目編成より

科目名          標準単位数
「科学と人間生活」      2
「各科目基礎」        2
「各科目」          4
「理科課題研究」       1

(各科目には、物理、化学、生物、地学が入ります)

必修:
「科学と人間生活」と、「各科目基礎」から1科目、もしくは、
「各科目基礎」から3科目

***

理科で何単位取るかは各学校によって違うでしょうが、試しに文系と理系のモデルケースを考えてみましょう。

まずは理系から。

仮に「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」及び「物理」「化学」「生物」を履修するとすると、

全部で18単位。年間当たり6単位。6単位×35コマ=210コマ。

なので、1日当たり1〜2コマ理科の授業があります。

次に文系。

仮に「科学と人間生活」「○○基礎」を2科目を履修するとすると、

全部で6単位。3年生では理科をやらないとすると、年間当たり3単位。3単位×35コマ=105コマ。

なので、2日に1コマ程度理科の授業があります。

もう実際どうだったかは忘れてしまったし、自分は理系なので文系の人は理科をどのくらい学んだかはなおさら分かりません。高校1年のときは文理分けはないので同じ進度のはずですしね。

一応平均的な感覚で、上記の計算をあてにするとします。

僕の母校は1学年あたり文系4クラス、理系4クラスだったと思います。

そのため一週間に必要な授業数は、

***

1,2年生:

文系:3コマ×4クラス=12コマ
理系:6コマ×4クラス=24コマ

3年生:

理系:6コマ×4クラス=24コマ

***

なので、一週間あたり学校全体で1年生から3年生まで合わせて、60コマ必要です。ただし、土曜日は除いています。

物理や化学などの科目担当は、大体で週20コマだとします。

これでいくと1日当たり4コマ程度になりますね。

しかし、もし科目担当が2人いたらこの半分。上記の計算では、学校に理科の教員が6人いた場合に対応します。

 

3人いたら...

というか、平成18年度の勤務実態調査がありました。

これによると、やはり平均1日当たり3コマ程度のようです。

なので、残り3コマはその他の業務。

1日あたり、1時間程度は、勤務時間中に授業準備ができるのでしょうか。

部活指導や生活指導、進路指導のための情報集めなどで忙しいと考えると、やはり授業準備のために働く時間は、全体のうちの少ない割合しか占めないようです。